寒くなると、バックドアが全開しなくなる、、、

AIZU

2025年02月18日 15:53

2020年にアイズ-ブロッカーを販売してから 早や5回目の冬です。
累計販売数は8500個を超えました・・・。夏までには1万セット越えです。
来し方を顧みると遠い目になってしまいます(苦労して特許を取得して、自社内で頑張って生産してきましたので・・・)
そんなことはいいとして、

アイズ-ブロッカーを装着した後でも、バックドアが全開位置にとどまってくれるためには、
アイズ-ブロッカーを装着していない状態で 2リットルのぺットボトルを吊り下げても全開保持できる余力が必要なのですが、
寒い季節になると、「アイズ-ブロッカーを装着したら、バックドアが全開しなくなりました・・・」のご報告が増えてきます。
冬場にアイズ-ブロッカーを装着される場合では、寒いことでガスダンパーの反力が低下していて
バックドアを全開位置にとどめておく余力が少くなっていることが原因かと考えます・・・

ガスダンパーは経年劣化します(ガス抜けによって反力が低下してしまいます)ので、
新車から5年くらい経っていると、寒いところでは全開してくれなくなったりします。
自宅ならバックドアが全開するのに、寒いスキー場だと全開してくれない・・・のは アルアルですね。
ちなみに 私の28年物の100系ハイエース(ブロッカーを装着しています)には4本目のが付いていますが、冬場の朝方は全開してくれません・・・昼頃には全開しますので ガマンして使ってます(笑)

バックドアはガスダンパー(左右に2本ある 黒色の筒状部材)の反力で押上げることで、開いていきます。
ガスダンパーの中には、窒素ガスが高圧状態に封入されていて、ガスの反力をスプリングのように利用しています。
この高圧ガスの圧力は、温度によって随分と変わってきます。
ハイエースの寒冷地仕様車では、寒冷時のガス反力の低下に対応するために 標準車よりも強い反力のガスダンパーが装備されています。
また、4型までの寒冷地仕様車用と、5型以降の寒冷地仕様車用ではガス反力が違っています(詳細はこの先でご案内しています)

ハイエースにはロールーフ車だけでも 様々な種類のガスダンパーが用意されています。
社外品の交換用ガスダンパーは、通販でも数多くのサイトで販売されています。
その中でも 代表的なガスダンパーを準備して、体重計を使ってその反力を測定してみました。

伸びきった状態のダンパーを押し下げて、縮み始める付近の反力を測定しています。


取り付け部分には100kgを超える力が働きますので、ちゃんとした支持具を用意しないとダンパーの取り付け部を壊してしまいます。横着して1本をダメにしちゃいました(ボールジョイント部分が破断しました・・・トホホ)


測定時の雰囲気温度10℃のときの反力だけでなく、
30℃くらいに温められた場合の反力も測定しました。(下画像ではコタツヒーターBOXを作って温めています。温度計はまだ28℃ですが・・・)



5型以降のロールーフ車に使われている 寒冷地仕様のガスダンパー(新品です)を測定してみると
温度が10℃では121kg・fでしたが、30℃では143kg・fの反力でした(温度によって 反力は随分と変わりますね・・・)
ガスダンパーは、体重が120kgを超える人でも持ち上げてしまえるほどの力があるということになります。(2本だと 300kg近い押し上げ力!!)

代表的なガスダンパー5種類の、測定結果です



意外な結果となりました・・・
巷では 最も強い反力があるという噂の「保冷車用」(右側部番18950-26218)は、5型寒冷地仕様と同程度の反力しかありませんでした・・・
5型寒冷地仕様は 4型寒冷地仕様よりも、反力が随分と抑えられたものでした・・・
(4型寒冷地仕様は、夏場では 160kgを超える反力となって強過ぎたので、5型では反力を抑えたのかも知れませんね・・・
また、楽天サイト内でも評判が良さげな社外品の「強力タイプのダンパー」も 測定してみましたが、
強化タイプと謳っている割りにはたいした反力はありませんでした。
2本セット(左右共用の仕様になっています)で購入したのですが、1本は102kg もう1本は95kgしかありませんでした・・・
購入サイト内にも「当たりハズレがある」のコメントがあったりしました。
ガスダンパーは使わずに保管しておくだけでも劣化(ガス抜けが進行)しますし、保管状態によっても劣化度が違ってきますので「当たりハズレ」があるかとは思いますが、反力が低すぎます。
https://yamadabody.jp/blog/products/rear-door/gasusupuringu_2/
https://faq.sugatsune.co.jp/faq/show/1527?site_domain=tecf

測定をした中で 最も強い反力があるのは「4型の寒冷地仕様のガスダンパー」 でした。
へたってしまったダンパーを交換するのなら、またアイズ-ブロッカーを装着されている場合などでは、 断然 「4型寒冷地仕様」ダンパーへの交換がお勧めです。
ロールーフ車用 4型寒冷地仕様の部品番号は、
右用  68950-26228
左用  68960-26228
です。
4型寒冷地仕様に交換する際には、まずは片側だけを交換してみて、バックドアの上り具合を見てから、もう片側を交換する方法もよろしいのでは と思います。
(うまくすれば 片側だけの交換で済んじゃって お得かもしれません  笑)

なお、ハイルーフ車やミドルルーフ車にありましては、反力の強さを 弊社で実際には確認しておりませんが、
ロールーフ車と同様に、おそらくは  4型寒冷地仕様用の部品が 最強なのではと推察いたしております。

ハイエースの交換方法については 別のブログで ご案内申し上げます。
(エブリィのガスダンパー交換する様子は こちらです。https://aizurv.hamazo.tv/e9801966.html )
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なお、4型寒冷地仕様よりも強いダンパーをご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えいただけるとありがたいです。
(トヨタディーラー様や、トヨタお客様相談室様に 何度もお問い合わせ致しましたが、詳しくお調べいただけませんでした・・・)



 

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